コラム
「ポストコロナ」のイノベーション⑪:相手に会わずにテレワークのみで新規顧客を開拓する
2020年07月27日
社会課題1-2. 今までと違う「接触方法」とは?(1. 人同士の接触を減らしながらビジネスを成立させること)
社会課題3-1. テレワークを実施するうえで起きる新たな課題とは?(3. ITの新たな活用方法を提示すること)
テレワークだけでは新規取引が始まらない「理由」
社会課題3-1. テレワークを実施するうえで起きる新たな課題とは?(3. ITの新たな活用方法を提示すること)
最近ビジネスマンにお会いすると、多くの人が同じような不満を打ち明けます。
「ルーティン業務や前から継続している業務はテレワークで十分ですが、新規取引が中々進まないんです。」
そういう嘆きを「そうなんでしょうね」と聞き流していましたが、なぜ新規取引の開始はテレワークだけではダメなのか? よく考えると不思議です。そこで、新規取引を断る・先送りする側の理由を考えてみました。
① 過去に実績がない企業とは新規取引したくない
② 何となく気が進まない
③ テレワークは断るための格好の口実だ
④ リアルに会わないと相手のことがよく分からない
⑤ 製品やサービスを実際に見ないと、品質や特徴が分からない
② 何となく気が進まない
③ テレワークは断るための格好の口実だ
④ リアルに会わないと相手のことがよく分からない
⑤ 製品やサービスを実際に見ないと、品質や特徴が分からない
理由の①〜③は、所詮やる気がない言い訳です。リアルでもテレワークでもやる気がないのは一緒で、何れにせよこういう人を相手にしてもうまく行きません。
よく考えなければならないのは、④と⑤のケースです。
リアルに人と会うこだわりは本当に必要か?
「リアルに会って、相手のことをよく理解しないと取引などできない」
このセリフは一見もっともです。例えば、ベンチャー企業や個人に出資する場合はそうです。
立派なビジネスモデルを見せられても、ベンチャー出資の最終的な判断基準は「この男(女性でも)は、本当に逃げずに諦めずに、一生懸命やるのか?」になります。
データやノウハウを集めてシステム化するのは困難なので、それこそ相手の顔つきや目を見て判断するしかありません。消費者金融を除けば、金貸しも相手と会わないと判断できない。
ところが、ベンチャーと違って製品・サービスは既に出来あがっているのに、「担当者と会わなければ信用できない」という例も少なくありません。
これは、断る理由①〜③と共通した傾向があります。
米国人と比べて、日本人は「製品でなく人を見る」傾向があります。しかし、起業家への出資じゃないのに、「人」にどこまでこだわる意味があるのでしょうか。
「製品」購入後のサポートはしっかりした「人」に担当して貰いたいのは事実です。しかし、テクノロジーによって、人は違っても「行為」は均質化されて来ました。 そうであれば、人よりも製品・サービスが重要になる。コロナを言い訳に④や⑤の先送り理由が増えたのであれば、競争力のさらなる低下につながります。
「現場に行かなければならない」をテクノロジーで補完する(DMG森精機)
出典:株式会社DMG森精機ホームページ
製品・サービスも、webベースで使えるものや宅急便で送れるものであれば、相手と会わなくても確認できます。しかし、大型の機器や体験型のサービスの場合、お客は現場に行かなければ確かに分かりません。
この課題をテクノロジーによって克服している例が、世界最大の工作機械メーカーであるDMG森精機(*1)です。
同社は「デジタルツイン」という技術を使って、お客が自社ショールームに来なくても、殆どリアルに製品を見せることができます。
デジタルツインとは「デジタルの双子」を意味し、物理的な空間の情報をIoTによってリアルタイムでサイバー空間に送り、サイバー上に双子のような物理的空間を再現する技術です。
同社は今年の4月から、「デジタル立ち会い」(*2)という環境も実現しています。
工作機械メーカーは出荷する前、機械の外観、加工精度、システム動作などを顧客と一緒に確認する「立ち会い」を実施します。コロナによって立ち会いが難しくなったので、複数のカメラで機械細部の画像をリアルタイムでお客に送り、遠い場所から最終確認をして貰います。
ライブ接続なので、まるでその場にいるようにチェックをして、疑問点も確認できます。
このシステムは、コロナによる接触自粛が解除された後も、遠隔地から中々来られないお客への情報提供に役立ちます。「リアルに会わないと意思決定できない」という言い訳に対抗するテクノロジーの活用が進むでしょう。
「ポストコロナ」の社会課題:
http://www.lab.kobe-u.ac.jp/stin-innovation-leader/column/200430.html
(*1) DMG森精機ホームページ:
(*2)デジタル立ち会い:
製品・サービスも、webベースで使えるものや宅急便で送れるものであれば、相手と会わなくても確認できます。しかし、大型の機器や体験型のサービスの場合、お客は現場に行かなければ確かに分かりません。
この課題をテクノロジーによって克服している例が、世界最大の工作機械メーカーであるDMG森精機(*1)です。
同社は「デジタルツイン」という技術を使って、お客が自社ショールームに来なくても、殆どリアルに製品を見せることができます。
デジタルツインとは「デジタルの双子」を意味し、物理的な空間の情報をIoTによってリアルタイムでサイバー空間に送り、サイバー上に双子のような物理的空間を再現する技術です。
同社は今年の4月から、「デジタル立ち会い」(*2)という環境も実現しています。
工作機械メーカーは出荷する前、機械の外観、加工精度、システム動作などを顧客と一緒に確認する「立ち会い」を実施します。コロナによって立ち会いが難しくなったので、複数のカメラで機械細部の画像をリアルタイムでお客に送り、遠い場所から最終確認をして貰います。
ライブ接続なので、まるでその場にいるようにチェックをして、疑問点も確認できます。
このシステムは、コロナによる接触自粛が解除された後も、遠隔地から中々来られないお客への情報提供に役立ちます。「リアルに会わないと意思決定できない」という言い訳に対抗するテクノロジーの活用が進むでしょう。
「ポストコロナ」の社会課題:
http://www.lab.kobe-u.ac.jp/stin-innovation-leader/column/200430.html
1. 人同士の接触を減らしながらビジネスを成立させること
1-1. 人同士の接触が前提だった場所の変革とは?
1-2. 今までと違う「接触方法」とは?
1-3. オフイス、飲食店、スーパー、スポーツ、エンタメ以外に課題を抱える場所とは?
2. リアルな現場における人手不足を賄うこと
2-1. 医療、介護、工場、物流、店舗以外に問題が起きている現場とは?
2-2. 専門家、管理者、単純労働者など不足する人材の質に合わせた対応とは?
2-3. IT化やロボット活用以外に考えられる解決方法とは?
3. ITの新たな活用方法を提示すること
3-1. テレワークを実施するうえで起きる新たな課題とは?
3-2. DX(デジタル・トランスフォーメーション)の新しい姿とは?
3-3. ITが解決するべき今まで見えなかった課題とは?
4. ビジネスの新たなパラダイムを作ること
4-1. 新たな生活、仕事の目的とは?
4-2. 従来と異なるコミュニケーションとは?
4-3. 人々が持つべき新たなマインドセットとは?
4-4. 新しい家庭、病院、オフィス、店舗、物流、工場etc.の形とは?
1-1. 人同士の接触が前提だった場所の変革とは?
1-2. 今までと違う「接触方法」とは?
1-3. オフイス、飲食店、スーパー、スポーツ、エンタメ以外に課題を抱える場所とは?
2. リアルな現場における人手不足を賄うこと
2-1. 医療、介護、工場、物流、店舗以外に問題が起きている現場とは?
2-2. 専門家、管理者、単純労働者など不足する人材の質に合わせた対応とは?
2-3. IT化やロボット活用以外に考えられる解決方法とは?
3. ITの新たな活用方法を提示すること
3-1. テレワークを実施するうえで起きる新たな課題とは?
3-2. DX(デジタル・トランスフォーメーション)の新しい姿とは?
3-3. ITが解決するべき今まで見えなかった課題とは?
4. ビジネスの新たなパラダイムを作ること
4-1. 新たな生活、仕事の目的とは?
4-2. 従来と異なるコミュニケーションとは?
4-3. 人々が持つべき新たなマインドセットとは?
4-4. 新しい家庭、病院、オフィス、店舗、物流、工場etc.の形とは?
(*1) DMG森精機ホームページ:
(*2)デジタル立ち会い: