コラム
「ポストコロナ」のイノベーション②: テレワークを普及させる革新的なセキュリティ技術とは
2020年05月05日
社会課題3-1: 「テレワークを実施するうえで起きる新たな課題」(ITの新たな活用方法を提示すること)を解決する
テレワーク普及は非可逆的
新型コロナウイルスの蔓延によって、我々の生活に起きた変化のひとつとして、テレワークの使用頻度が高くなったことが挙げられます。元々テレワークのための環境整備をしていた大企業では、工場、物流、販売など現場業務を除いて、大半がテレワークに移行しました。緊急事態宣言発令以来、大企業が集積している東京の大手町、丸の内界隈はゴーストタウンになっています。
これに対して、中堅・中小企業のテレワーク実施は遅れています。東京でさえ実施率は26%程度にとどまり、今後も実施予定はないとしている企業が半数を越えています(*1)。テレワーク実施にはハード、ソフト、通信環境整備などのコストがかかるので、体力がない中小企業は二の足を踏むでしょう。
ただ、「出勤自粛期間」が終わっても、元のような満員電車に戻れば、感染が増えて自粛に逆戻りする公算が高い。導入コスト問題は解決せざるを得す、テレワーク普及は不可逆的な流れと言えます。
また、導入が進んでいる大企業にとっても、今の環境は不安定です。テレワーク増加に乗じたと思われるサイバー攻撃被害が国内で6,500件(今年の1〜3月)以上も起きています。世界の被害は47,000件を超え、日本は米国に次ぐ多さです(*2)。 ポストコロナのイノベーションとして、低コスト且つ簡便にセキュリティを高めることが求められています。
テレワーク増加はリスク増加要因
テレワークを行う時の被害として、情報漏えい(ウイルス被害、端末の紛失など)、重要情報の消失(端末の紛失、盗聴など)、作業中断(不正侵入・踏み台にされるなど)などが考えられます(*3)。 これら被害への様々なセキュリティ対策が必要ですが、社員による端末の紛失といううっかりミスのリスクは見逃せません。
テレワークでパソコン(PC)を使用する場合、主に下記3つのやり方があります。
① USBメモリーなどの記憶媒体を自宅に持ち帰って作業する
② 自宅から社内ネットワークにアクセスする(情報はPCに保存可能)
③ 自宅から社内ネットワークにアクセスする(情報はPCに保存不可能、シンクライアント型)
② 自宅から社内ネットワークにアクセスする(情報はPCに保存可能)
③ 自宅から社内ネットワークにアクセスする(情報はPCに保存不可能、シンクライアント型)
一番目と二番目の場合、紛失したPCやスマホが悪意の第三者に渡ると大変です。パスワードや多段階認証をかけても、すぐ破られる可能性がある。三番目の場合、シンクライアントPC端末には何の情報も残ってないが、紛失すればネットワークに侵入されるリスクが高まります。企業にとって頭の痛い問題で、経営がテレワークをできないという言い訳にもなっています。
セキュリティ対策に多額の投資をしても、ハッカーとのいたちごっこになる。また、端末紛失といううっかりミスをゼロにするのは難しい。では、どうすれば良いのか?
パスワード不要、生体認証よりも強固なセキュリティ
(図)DZ Securityのバックグランド認証のしくみ(出典: DZ Security HP)
ITベンチャーであるAnchorZ社長の徳山真旭氏は、こういう世の中が来ることを待っていたわけではありません。しかし、彼が10年かけて開発した従来の常識を破るセキュリティ技術は革新的です。社会課題3-1: 「テレワークを実施するうえで起きる新たな課題」(ITの新たな活用方法を提示すること)の解決を目指すものです。
現在、世の端末に内包されているセキュリティ認証方法は、パスワード、指紋、音声、虹彩などです。徳山さんが開発した技術「DZ Security」(*4)は、既存の生体情報に端末使用者の「ふるまい(行為)」学習を加えて、総合的に「本人かどうか」認証することが特徴です。ふるまい学習とは、端末の使い方、移動パターンなどをアルゴリズム化したもので、端末の本人認証がどんどん賢くなるという特徴があります。
パスワードが不要なので簡便、端末を使えば使うほど、セキュリティ強度が上がるわけです。なりすましや偽装の心配が論理上なくなります。日頃のふるまいによっていつの間にか本人認証されることを、徳山さんは「バックグランド認証」と名付けています。ただ、認証されていることは本人でさえ気が付きません。他の人が端末を使い始めると、その瞬間ロックがかかります。端末から情報が抜き取られるリスクが、ほぼなくなるわけです。
徳山さんの会社は、英国の世界的な半導体メーカーであるARM社のAIパートナーに指名され(*5)、三菱電機のアクセラレーションプログラムで最優秀賞を受賞し、同社内でのDZ Securityの利用について検討が行われています。
素晴らしい!
彼は元々「セキュリティを水道の蛇口から出る水のように誰にでも安心して簡単に提供できるようにしたい」という発想で技術開発を始めました。デジタル社会におけるセキュリティ(特に本人認証)は、人間にとって不可欠な水と同じだという意味です。それがテレワークにおけるポストコロナのイノベーションになりつつあります。
ITベンチャーであるAnchorZ社長の徳山真旭氏は、こういう世の中が来ることを待っていたわけではありません。しかし、彼が10年かけて開発した従来の常識を破るセキュリティ技術は革新的です。社会課題3-1: 「テレワークを実施するうえで起きる新たな課題」(ITの新たな活用方法を提示すること)の解決を目指すものです。
現在、世の端末に内包されているセキュリティ認証方法は、パスワード、指紋、音声、虹彩などです。徳山さんが開発した技術「DZ Security」(*4)は、既存の生体情報に端末使用者の「ふるまい(行為)」学習を加えて、総合的に「本人かどうか」認証することが特徴です。ふるまい学習とは、端末の使い方、移動パターンなどをアルゴリズム化したもので、端末の本人認証がどんどん賢くなるという特徴があります。
パスワードが不要なので簡便、端末を使えば使うほど、セキュリティ強度が上がるわけです。なりすましや偽装の心配が論理上なくなります。日頃のふるまいによっていつの間にか本人認証されることを、徳山さんは「バックグランド認証」と名付けています。ただ、認証されていることは本人でさえ気が付きません。他の人が端末を使い始めると、その瞬間ロックがかかります。端末から情報が抜き取られるリスクが、ほぼなくなるわけです。
徳山さんの会社は、英国の世界的な半導体メーカーであるARM社のAIパートナーに指名され(*5)、三菱電機のアクセラレーションプログラムで最優秀賞を受賞し、同社内でのDZ Securityの利用について検討が行われています。
素晴らしい!
彼は元々「セキュリティを水道の蛇口から出る水のように誰にでも安心して簡単に提供できるようにしたい」という発想で技術開発を始めました。デジタル社会におけるセキュリティ(特に本人認証)は、人間にとって不可欠な水と同じだという意味です。それがテレワークにおけるポストコロナのイノベーションになりつつあります。
「ポストコロナ」の社会課題:
http://www.lab.kobe-u.ac.jp/stin-innovation-leader/column/200430.html
関連記事 (*1)テレワーク 中小企業での実施は26%にとどまる 東京都内」NHK 2020年4月12日:
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200412/k10012382311000.html
(*2)「テレワーク標的か 国内でサイバー攻撃6500件超」産経新聞2020年4月26日:
https://www.sankei.com/life/news/200426/lif2004260044-n1.html
(*3)総務省「テレワークセキュリティガイドライン」 (第3版):
https://www.soumu.go.jp/main_content/000199491.pdf (*4)「DZ Security」について: https://dz.anchorz.co.jp/ (*5)AnchorZとARM社とのパートナー契約: https://dz.anchorz.co.jp/news/324
1. 人同士の接触を減らしながらビジネスを成立させること
1-1. 人同士の接触が前提だった場所の変革とは?
1-2. 今までと違う「接触方法」とは?
1-3. オフイス、飲食店、スーパー、スポーツ、エンタメ以外に課題を抱える場所とは?
2. リアルな現場における人手不足を賄うこと
2-1. 医療、介護、工場、物流、店舗以外に問題が起きている現場とは?
2-2. 専門家、管理者、単純労働者など不足する人材の質に合わせた対応とは?
2-3. IT化やロボット活用以外に考えられる解決方法とは?
3. ITの新たな活用方法を提示すること
3-1. テレワークを実施するうえで起きる新たな課題とは?
3-2. DX(デジタル・トランスフォーメーション)の新しい姿とは?
3-3. ITが解決するべき今まで見えなかった課題とは?
4. ビジネスの新たなパラダイムを作ること
4-1. 新たな生活、仕事の目的とは?
4-2. 従来と異なるコミュニケーションとは?
4-3. 人々が持つべき新たなマインドセットとは?
4-4. 新しい家庭、病院、オフィス、店舗、物流、工場etc.の形とは?
1-1. 人同士の接触が前提だった場所の変革とは?
1-2. 今までと違う「接触方法」とは?
1-3. オフイス、飲食店、スーパー、スポーツ、エンタメ以外に課題を抱える場所とは?
2. リアルな現場における人手不足を賄うこと
2-1. 医療、介護、工場、物流、店舗以外に問題が起きている現場とは?
2-2. 専門家、管理者、単純労働者など不足する人材の質に合わせた対応とは?
2-3. IT化やロボット活用以外に考えられる解決方法とは?
3. ITの新たな活用方法を提示すること
3-1. テレワークを実施するうえで起きる新たな課題とは?
3-2. DX(デジタル・トランスフォーメーション)の新しい姿とは?
3-3. ITが解決するべき今まで見えなかった課題とは?
4. ビジネスの新たなパラダイムを作ること
4-1. 新たな生活、仕事の目的とは?
4-2. 従来と異なるコミュニケーションとは?
4-3. 人々が持つべき新たなマインドセットとは?
4-4. 新しい家庭、病院、オフィス、店舗、物流、工場etc.の形とは?
関連記事 (*1)テレワーク 中小企業での実施は26%にとどまる 東京都内」NHK 2020年4月12日:
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200412/k10012382311000.html
(*2)「テレワーク標的か 国内でサイバー攻撃6500件超」産経新聞2020年4月26日:
https://www.sankei.com/life/news/200426/lif2004260044-n1.html
(*3)総務省「テレワークセキュリティガイドライン」 (第3版):
https://www.soumu.go.jp/main_content/000199491.pdf (*4)「DZ Security」について: https://dz.anchorz.co.jp/ (*5)AnchorZとARM社とのパートナー契約: https://dz.anchorz.co.jp/news/324